『第三区のあゆみ』

 沿革
  江戸町火消は十組の大組に組織されていたが、その中の「一番組」
 「五番組」「六番組」が現在の「第三区」のルーツである。
 明治初年に「第三大区」となった時は、一番組から六番組(元や・万
 ・ま・く・ゐ・お組)までで組織されていた。七番組(元の組)は明
 治20年の名簿に記載されているので、その前に加入した。そして戦後、
 昭和30年(1955)以前に八番組から十番組(元こ・ふ・け組)までが
 加わった。しかしながら、新たに加わった渋谷区内の十番組は昭和50
 年代に、続いて九番組・八番組が平成に入ってから欠番になり現在に
 至っている。



 名称の変遷
  江戸が明治の世になると、新政府が生まれ明治8年(1875)には警視庁市部消防組と改
 まり六大区(三十九組編成)体制で東京市中の消防に従事することになった。
  行政区画が変わり、「元一番組」「元五番組」「元六番組」はあらたに麹町、四谷、赤
 坂、市ヶ谷、牛込を区域とした「第三大区」の第一番組〜第六番組に編入された。その後、
 監督官庁がいくどか代わり、明治14年(1881)には消防組が消防分署に属することになり、
 「消防第三分署」所轄として一番組(麹町)、二番組(麹町・飯田町)、三番組(赤坂・
 青山)、四番組(四谷)、五番組〜七番組(牛込)になった。明治40年(1907)には「第
 三消防署」、昭和元年(1926)には「第三方面」、昭和10年には「第三方面警防隊」と名
 称が改まった。また「第三方面」の名称がいつ「第三区」の表記になったのかは定かでは
 ないが、昭和12年の大山阿夫利神社の石段玉垣記念の石柱に「東京消防第三区」と記され
 ている。

 当時の受持ち区域
  元一番組「万組」は、元飯田町辺、外四か町、元五番組「く組」は四谷伝馬町辺、麹町11丁
 目〜13丁目、市谷本村町辺など、「や組」は半蔵門外、麹町辺、平河町辺など、「ま組」は赤
 坂伝馬町、赤坂新町、元赤城町辺、麻布今井町など、「け組」は元鮫ヶ橋辺、四谷仲町辺な
 ど、「ふ組」は青山御手大工町辺、青山御手久保町辺など、「こ組」は麻布宮益町、麻布道
 玄坂辺など、元六番組「の組」は牛込天神町、榎町、早稲田など、「ゐ組」は市ヶ谷田町辺、
 牛込肴町、拂方町など、「お組」は市ヶ谷谷町辺、牛込原町辺などをそれぞれ受持っていた。
  現在は住所表記の変更などもあり、例えば、く組・四番組は四谷・新宿なども受持区域に
 なっている。
  
   

  

 年間行事
 1月12日 大盃の儀
  5月   祐天寺へ参詣 元五番組
  6月   祐天寺へ参詣 元六番組
      各組、町内祭礼の警護協力
  7月16日 佐奈田霊社 定例参拝
  8月   大山阿夫利神社(神奈川)夏季参詣
  11月28日 千躰荒神(海雲寺)参詣

 伝統文化の維持・継承
  木遣りの稽古は新宿福祉会館にて大きな行事がある前月に6日間ほど稽古する。
 梯子乗りの稽古は4月・11月飯田橋の伊勢大神宮の境内で実施している。

 壽喜三會のこと
  壽喜三會は名代の木遣師であった納戸町事村松喜三郎の「喜」の文字と第三区の「三」から命
 名されたものである。平成16年には「壽喜三會発足五十周年」の記念行事を行った。佐奈田霊社
 の真棒のミニチュアは昭和25年7月の奉納である。村松喜三郎は本無しで口伝の指導をし、行儀
 作法は非常に厳しく、胡座をかくことも許さぬ人だったが、伴纒の似合う人であった。木遣りの
 師匠として、その後を継いだのは二番組の中沢幸次郎で指導の上手い木遣師であり、この二人は
 第三区の木遣師の双璧と言ってよく、彼らの指導を受けた者達が、現在も受継いでいる。
  村松喜三郎は木遣事業会の発足(昭和16年)にも参加、清澄寺には昭和28年各区の木遣師と納
 額、木遣定本編纂会で小湊・誕生寺に昭和32年各区の木遣師との納額にも参加した方である。
  壽喜三會の紋  
   
 記念碑など奉納物
 明治14年   赤坂氷川神社 絵馬「ま組消防隊」(月岡芳年画) 三番組
 明治44年   高幡不動尊 入口周囲の玉垣第三区 
 大正15年9月  赤坂豊川稲荷 石塀 第三区(一番組〜七番組)
 昭和3年11月 高幡不動尊 額 帝都消防第三区
 昭和5年   海雲寺 額(神代講) 
 昭和9年11月 新宿花園神社 社号標「皇太子殿下御降誕記念」 第三区四番組
 昭和12年7月 大山阿夫利神社 石段玉垣と玉垣記念碑 東京消防第三区
 昭和24年7月 妙圓寺 賽銭箱「ふ組藤屋平五郎百年忌」 第三区各番組
 昭和27年10月 笠間稲荷神社 額 第三区
 昭和30年9月 宗吾霊堂 青銅製香炉 第三区筒先中
 昭和33年7月、36年7月 佐奈田霊社 賽銭箱 第三区寿喜三会から二つ
 昭和38年4月 赤坂豊川稲荷 石塀 第三区(一番組〜十番組)
 昭和44年10月 川崎大師 額 第三区筒先中

 受章者
 *麹町十一丁目・高橋善太郎(勲八等)
 *隼町・木崎錦五郎(勲六等瑞寶章昭和47年度)
 *花園町・渡辺宗吉(勲六等旭日章昭和62年度)
 *新三・渡辺治雄(勲六等端寶章平成11年度)
 (財団法人日本顕彰会表彰平成10年度)

 歴代の総代(記念会の50年間での総代) 
 *長谷川国五郎(三番組)記念会初代理事長
 *宮田金次郎(四番組)
 *木崎錦五郎(一番組)記念会四代目理事長
 *渡辺宗吉(四番組)記念会八代目理事長
 *望月桂治(三番組)
  
  

 

 「平成22年5月25日 消防殉職者慰霊祭でのひとコマ」
  
  
  


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